国内FX会社を利用する場合、全て日本の金融庁の登録済みのブローカーとなるため、一定以上の安全性が確保されています。
しかし、海外FX会社においてはどのようなシステムで会社運営がされ自己資金がどうなっているかなどが不明瞭なため不安になる方も多いことでしょう。
そんな海外FX会社を選ぶ時に注目すべきポイントとなるのが「金融ライセンスを取得しているかどうか」です。
海外FX選びの際に必ず確認しておいて欲しい金融ライセンスについて解説していくので、これから海外FXでトレードを始めようと思っている方は是非参考にしてください。
海外FXの金融ライセンスとは?
海外FXを始めて利用するという方にとっては、金融ライセンスという単語自体に聞き馴染みがないですよね。
まずは、海外FX初心者に覚えておいてほしい、金融ライセンスの基礎的な内容についてみていきましょう。
海外FX会社でも金融ライセンスを保有してる会社が増えている
海外FX選びで重要となるのは金融ライセンスを保有しているかどうかということです。
ライセンスを取得するには、発行元が実施している審査に合格する必要があります。
資金の管理体制や運営基盤などさまざまな項目が審査基準となっているため、審査に合格するにはブローカーとしての十分な信頼性が必要となるのです。
そのため、金融ライセンスを保有しているブローカーの安全性は高いという証明として使われています。
以前までは、海外FX会社で金融ライセンスを保有している会社の数は少なかったのですが、近年、金融ライセンスを保有しているブローカーの数は増えています。
そのため、安全性の高いブローカーを選ぶ時には金融ライセンスを保有しているということが必須項目といえるでしょう。
ハイレバレッジ取引は国内FX会社では実現不可能
そもそも、「なぜ海外FX会社は日本の金融ライセンスを取得していないの?」「なにかやましいことがあって日本の金融庁のへの登録をさけているのではにないだろうか?」と疑問に思う方もいるでしょう。
というのも、日本の金融庁に登録してしまうと様々な規制がかかり、思うようにサービスを提供できなくなってしまうからです。
例えば、海外FXならではの超ハイレバレッジ取引が規制され、レバレッジが最大25倍までとなってしまいます。
こういったサービスへの規制を免れるために、あえて日本の金融庁への登録を避けているのです。
【日本のレバレッジ規制の歴史】
日本でFX取引が始まった当初は、レバレッジ400倍が一般的でした。
200年代初頭にFXでのハイレバレッジ取引ブームが熱をおび、ハイレバレッジ取引による一攫千金を狙った取引が増えてきたのです。
それに伴い、自己資産を全て失ってしまうトレーダーが大量発生し、2005年に「金先法(金融先物取引法)」の改正が行われ、レバレッジ50倍に規制されました。
その後。FX業者の「新規参入審査登録制」の導入と立て続けに法改正が行われ、2011年8月からは国内FX会社ではレバレッジが25倍に規制されたのです。
各国の金融ライセンスの特徴を理解しよう!
金融ライセンスと一括りに説明しても、世界には200以上の国があり、金融ライセンスの数も数えきれないほどあります。
加えて、国が違えば法律も違うわけで、その国の法律に従って作られた金融ライセンスでどんな規制があるのかもかなり異なります。
イギリス(FCA)の金融ライセンス
日本語名 | 金融行為規制機構 |
特徴 | 世界で最も厳しい金融審査機関 |
イギリス(FCA)の金融ライセンスWEBサイト | https://www.fca.org.uk/ |
イギリス(FCA)の金融ライセンス保有ブローカー | ・XM(外国人向けサービス運営会社) ・Hotforex(外国人向けサービス運営会社) ・LANDFX(外国人向けサービス運営会社) |
イギリス(FCA)はFinancial Conduct Authorityの頭文字をとってつけられた名称で、日本語にすると、「金融行動監視機構」と訳せます。
2012年に設立されたといこともあり、金融ライセンスの中では新しいとされていますが、その反面、世界でもっとも審査の厳しいライセンスとも言われています。
「一定以上の資本金がある」「トレーダーの資産を分別管理している」「顧客のサポート体制が整っている」「外部の監査機関から監査を受けている」といった審査基準を満たす必要があります。
また、ライセンスは更新制となっているため、そういった点もライセンスを保有している価値の高さの所以といえるでしょう。
オーストラリア(ASIC)の金融ライセンス
日本語名 | オーストラリア証券投資委員会 |
特徴 | 日本へのサービス提供が禁止されている |
オーストラリア(ASIC)の金融ライセンスWEBサイト | https://asic.gov.au/ |
オーストラリア(ASIC)の金融ライセンス保有ブローカー | 以前はPepperstoneなどが保有していたが、現在は日本へのサービス提供が禁止されている |
オーストラリア(ASIC)の金融ライセンスは1998年から20年以上もの間使われている金融ライセンスです。
2009年に規制改革により権限が全て移行され、今ではオーストラリアでただ1つの金融ライセンスとなっています。
現在のTitan FXの前身であるPepperstoneなど、過去には数多くのブローカーがオーストラリア(ASIC)の金融ライセンスを保有していましたが、日本へのサービス提供が禁止となってからはその数を減らしています。
ニュージーランド(FMA)の金融ライセンス
日本語名 | ニュージーランド金融市場統制局 |
特徴 | 金融ライセンスとしては平均的な信頼性 |
ニュージーランド(FMA)の金融ライセンスWEBサイト | https://www.fma.govt.nz/ |
ニュージーランド(FMA)の金融ライセンス保有ブローカー | GEMFOREX(日本人向けサービス運営会社) |
金融規制が緩かったニュージーランドでは、無理な投資を行ったことにより破綻してしまう人が相次ぎました。
そういった投資による損失の拡大を重く受け止めたニュージーランドによって設立されたのが、FMA(ニュージーランド金融市場統制局)です。
日本人向けのサービスを提供するGEMFOREXの運営会社がFMAの金融ライセンスを取得しています。
似た名前のものとして「FSPR(Financial Service Providers Register)」がありますが、こちらは金融ライセンスではありません。
ニュージーランドでの金融商品を取り扱っている会社の名簿リストのようなもので、登録の際に厳しい審査などは行われません。
FMAとFSPRを間違わないように注意しましょう。
キプロス(CySEC)の金融ライセンス
日本語名 | キプロス証券取引委員会 |
特徴 | イギリス(FCA)の次に厳しいと言われる金融機関 日本人NG |
キプロス(CySEC)の金融ライセンスWEBサイト | https://www.cysec.gov.cy |
キプロス(CySEC)の金融ライセンス保有ブローカー | ・XM(外国人向けサービス運営会社) ・iFOREX(外国人向けサービス運営会社) ・FBS(外国人向けサービス運営会社) |
キプロスとは地中海にある島国のことで、厳しい金融ライセンスとしても有名です。
キプロス(CySEC)の金融ライセンスを保有しているブローカーとしては「XMTrading」「iFOREX」「FBS」などが挙げられます。
地中海にあるということもあり、2013年におこったギリシャショックの影響を大きく受けてからは規制が一段と強化されています。
補償期間である「ICF(Investor Compensation Fund)」への加入も義務付けられているため、金融ライセンスとして価値の高いものだといえるでしょう。
セーシェル(FSA)の金融ライセンス
日本語名 | セーシェル金融サービス庁 |
特徴 | 有名オフショアライセンス |
セーシェル(FSA)の金融ライセンスWEBサイト | https://www.fsaseychelles.sc/ |
セーシェル(FSA)の金融ライセンス保有ブローカー | XM(日本人向けサービス運営会社) |
セーシェルという国は東アフリカ沖のインド洋にある小さな国で、オフショアライセンスとして有名です。
最低限の資金管理制度があれば取得できる金融ライセンスなので、信頼性はそれほど高くないとされています。
ただ、分別管理の義務化がされているということもあり、セーシェル(FSA)の金融ライセンスを取得しているブローカーは一定以上の信頼性があるといえるでしょう。
ケイマン諸島(CIMA)の金融ライセンス
日本語名 | ケイマン諸島金融庁 |
特徴 | イギリスの領土、イギリスの法律に準拠した金融ライセンス |
ケイマン諸島(CIMA)の金融ライセンスWEBサイト | https://www.cima.ky/ |
ケイマン諸島(CIMA)の金融ライセンス保有ブローカー | Tradeview(日本人向けサービス運営会社) |
ケイマン諸島はアメリカの南のカリブ海にある諸島です。
立地的にはほとんどアメリカの領土なのですが、実はイギリスの領土です。
そのため、ケイマン諸島(CIMA)の金融ライセンスはイギリスの法律に準拠した内容となっています。
特徴は、法人税が非課税のタックスヘイブンということです。
金融商品を扱うFX会社だけでなく有名な銀行などもケイマン諸島に会社をおいています。
【タックスヘイブンとは?】
タックスヘイブンとは、租税が完全に免除されたり、軽減されている地域のことを示した名称です。
イギリス領ケイマン諸島、バージン諸島といったカリブ海の島国や、ルクセンブルク、モナコ、米国東部のデラウェア州などが代表的なタックスヘイブンの土地として知られています。法人税や源泉徴収税がほぼないといっても過言ではないタックスヘイブンの土地に資産を移し、オフショア取引を利用して租税回避するケースが多く見られます。
ベリーズ(IFSC)の金融ライセンス
日本語名 | 国際金融サービス委員会 |
特徴 | ・オフショア規制機関 ・タックスヘイブンなので非課税での会社運営可能 |
ベリーズ(IFSC)の金融ライセンスWEBサイト | https://www.ifsc.gov.bz/ |
ベリーズ(IFSC)の金融ライセンス保有ブローカー | ・Axiory(日本人向けサービス運営会社) ・FBS(外国人向けサービス運営会社) |
ベリーズもケイマン諸島と同様にカリブ海にある島国です。ベリーズ自体は1981年にイギリスから独立しています。
ベリーズ(IFSC)の金融ライセンスはオフショアライセンスとして有名で、「Axiory」や「FBS」といった日本でも知名度の高いブローカーがそのライセンスの元、運営をしています。
バヌアツ(VFSC)の金融ライセンス
日本語名 | VFSCの概要金融サービス委員会 |
特徴 | 有名オフショアライセンス |
バヌアツ(VFSC)の金融ライセンスWEBサイト | https://www.vfsc.vu/ |
バヌアツ(VFSC)の金融ライセンス保有ブローカー | ・TitanFX(日本人向けサービス運営会社) ・FBS(日本人向けサービス運営会社) |
バヌアツもケイマン諸島やベリーズなどと同様に法人税のかからないタックスヘイブンとして有名な国です。
以前までは他のオフショアライセンス同様、比較的審査の緩いライセンスといわれていましたが、2019年に規制が強化されたことにより、信頼性が向上しました。
「TitanFX」や「FBS」といった有名ブローカーがバヌアツ(VFSC)の金融ライセンスの元、運営をしています。
セントビンセント・グレナディーン(FSA)の金融ライセンス
日本語名 | セントビンセント・グレナディーン金融庁 |
特徴 | オフショアライセンスとして有名な金融ライセンス |
セントビンセント・グレナディーン(FSA)の金融ライセンスWEBサイト | http://svgfsa.com/ |
セントビンセント・グレナディーン(FSA)の金融ライセンス保有ブローカー | HFMarkets(日本人向けサービス運営会社) |
セントビンセント・グレナディーンは、カリブ海の東沖にある諸島です。
信頼性はそれほど高くありませんが、オフショアライセンスとして有名です。
有名な海外FXブローカーとしては「HFMarkets」がセントビンセント・グレナディーン(FSA)の金融ライセンスを取得しています。
イギリス領バージン諸島(BVIFSC)の金融ライセンス
日本語名 | イギリス領バージン諸島金融サービス委員会 |
特徴 | ・イギリス(FCA)とはことなるライセンス ・イギリス(FCA)よりも信用度は低い |
イギリス領バージン諸島(BVIFSC)の金融ライセンスWEBサイト | https://www.bvifsc.vg/ |
イギリス領バージン諸島(BVIFSC)の金融ライセンス保有ブローカー | iFOREX(日本人向けサービス運営会社) |
セントビンセント・グレナディーン同様にカリブ海にあるのがイギリス領バージン諸島です。
イギリス領の国でということもあり、FCAなどと同じような水準かと一見思えますが、実は内容は大きく異なります。
審査基準はかなり緩く、イギリス(FCA)よりも信用度は低いと言わざるを得ないでしょう。
海外FX会社では近年主要国の金融ライセンスが取りにくくなっている
海外FX会社では近年、日本でサービスを提供するにあたって日本以外の主要国の金融ライセンスも取りにくくなっています。
というのも、日本の金融庁から「日本向けのサービスを提供しようとしている会社に対してはライセンスを発行して欲しい」という通達が送られているからです。
過去、日本では無茶な設定のハイレバレッジ取引などによって破産する投資家が後を立たなくなり、そういった対策のためにFXに対する法律を強化しました。
そういった背景もあり、投資家保護という観点から規制を厳しくしていっているのです。
日本人向けサービス運営する会社を新たに作って対策している
日本だけではなく主要国の金融ライセンスも取りにくくなっているということは、海外FX会社が日本人向けのサービスを提供するのがむずかしいと考える人もいるでしょう。
しかし、先進国である日本の市場はブローカーにとっても見逃せないものであり、各ブローカーはしっかりと対策をしています。
イギリスなどの主要国の金融ライセンスで日本人向けサービスを提供するのは難しくなっていますが、「バヌアツ(VFSC)の金融ライセンス」や「セントビンセント・グレナディーン(FSA)の金融ライセンス」などといったオフショアライセンスであれば問題ありません。
そのため、オフショアライセンスを保有した日本人向けサービスを提供するブローカーが増えているのです。
親会社やグループ会社がどんな金融ライセンスを持っているかも重要
「金融ライセンスとはいえオフショアライセンスは信用できない」という方もいるかもしれません。
日本人向けサービスを運営している会社であっても、資金管理や運営方法などは親会社と共通している部分も多いです。
そのため、親会社・グループ会社が厳しい審査をクリアして他の国の金融ライセンスを取得していればそれだけ信頼性は高いと判断できます。
安全な海外FX会社を選ぶには?
例えば、注文方式などが一例としてあげられるでしょう。
この注文方式については下記の記事で詳しく解説しておりますので、FXの注文方式についてもっと知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。↓↓
マミコ FX初心者の方が海外FX会社を選ぼうと思っても、たくさん会社の数があって、どうやって決めればいいか迷ってしまいますよね。 そんな方におすすめなのが、「注文方式の違いに注目して選[…]
また、ほかにも
- ForexPeaceArmyでSCAM認定されていないこと
- 顧客資金を分別管理と信託保全していること
- 日本語対応のカスタマーサービスがあること
- ゼロカットシステムがあること
といったことも安全な海外FX会社を選ぶ時に重要といえるでしょう。
【ForexPeaceArmyのSCAM認定とは?】
ForexPeaceArmyとは世界最大級のFXに関する口コミサイトです。
Forex Broker Reviews, Forex Scam Alerts, Forex Traders Court…
言語は英語で日本語には対応していませんが、FX会社を選ぶ時に最も参考になるサイトといえるでしょう。
そんなForexPeaceArmyで導入されている制度がSCAM認定です。SCAMとは「詐欺」という意味で、出金拒否やユーザーからの口コミが著しく悪いブローカーをSCAM(詐欺)業者認定として認定しているというわけです。危険なブローカーを簡単に見つけられる非常に有用な口コミサイトなので、ブローカー選びの際に是非利用してみてくださいね。
海外FXを利用する時には金融ライセンスに注目しよう!
金融ライセンスと一括りに説明しても、世界には200以上の国があり、金融ライセンスの数も数えきれないほどあります。
加えて、国が違えば法律も違うわけで、その国の法律に従って作られた金融ライセンスでどんな規制があるのかもかなり異なります。
前述したように同じイギリス領の国だと言っても審査基準が違い、それに伴い信頼性の高さも変わってきます。
今回ご紹介した内容をもとに、どのような評価をされている金融ライセンスなのかを把握しておき、より安全な環境でFX取引をしてくださいね。